犬や猫にも「ハラスメント」があると思いませんか?〜ブリーダーの私たちが伝えたい、本当の優しさ〜
「ハラスメント」という言葉を聞くと、職場や人間関係での出来事を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、毎日のように生まれたばかりの小さな命と向き合い、その成長を見守っている私たちブリーダーは、ふと思うことがあります。
「もしかしたら、犬や猫の世界にも、人間社会と同じような『ハラスメント』が存在するのではないか」と。
言葉を話すことができないワンちゃんやネコちゃん。でも彼らには、私たち人間とまったく同じように、嬉しい、悲しい、怖い、不安、安心するといった豊かな感情があります。
今回は、ブリーダーという立場だからこそ感じる「言葉なき家族の気持ち」と、私たちが大切にしている「本当の寄り添い方」についてお話しさせてください。
1. 「人間の都合」という名のハラスメント
「ハラスメント」と聞くと、叩いたり怒鳴ったりといった直接的な虐待をイメージされるかもしれません。ですが、私たちが危惧しているのは、一見すると愛されているように見えて、実は「人間の都合や感情を押し付けてしまっている状態」です。
たとえば、こんなお気持ちで家族を迎えようとしてはいませんか?
「日常の寂しさを埋めてほしいから」
「仕事で疲れているから、とにかく癒やしてほしい」
「SNSで流行っていて可愛いから」
「自分の生活スタイルは変えたくないけれど、癒やしだけが欲しい」
もちろん、「可愛い」「癒やされたい」というきっかけ自体は自然なことです。
しかし、相手は感情を持った「命」です。自分の思い通りの行動をしてくれないからとイライラしてしまったり、「癒やしてくれない」「思っていた生活と違う」という理由で気持ちを離してしまう……。
これらはすべて、人間側の都合で相手の感情を置き去りにしてしまう、ひとつの「ハラスメント」なのではないかと私たちは考えています。
2. 犬や猫は「道具」でも「所有物」でもありません
「ペットを飼う」という言葉があります。
しかし、この「飼う」という響きには、どこか「人間が主で、動物は従」「お世話をしてあげている」という上下関係のようなニュアンスが含まれているように感じることがあります。
また、「お金を出して買うのだから、自分の所有物だ」という考え方も、私たちは悲しく感じてしまいます。
ワンちゃんやネコちゃんは、人間の寂しさを埋めるための道具でも、インテリアでもありません。
同じ家で暮らし、嬉しいことも大変なことも一緒に分かち合い、お互いに寄り添いながら人生を歩んでいく「対等な家族」です。
人間都合の「癒やし」だけを求める関係は、決して長続きしません。彼らが不安なとき、体調が悪いとき、シニアになって手がかかるようになったとき、その変化も含めてまるごと愛せるかどうかが問われているのです。
3. 「この子は今、どう感じているだろう?」という視点を持つこと
では、犬や猫にとっての「ハラスメント」を防ぎ、本当の家族になるためにはどうすればよいのでしょうか。
その答えはとてもシンプルです。
日々の暮らしの中で、「この子は今、どう感じているだろう?」という視点を常に持ち続けることです。
「かまってほしいのかな?それとも、今は静かに休みたいのかな?」
「どうしてここで吠えて(鳴いて)しまったんだろう?何か不安なのかな?」
「人間の都合で無理なお出かけや長時間の留守番をさせていないかな?」
言葉を話せないからこそ、相手の表情や仕草、声に耳を傾け、その気持ちを想像しようとすること。自分本位にならず、相手のペースを尊重すること。
この「相手の気持ちに寄り添おうとする姿勢」こそが、言葉の壁を越えて本当の絆を育む第一歩になります。
4. 私たちが「見学予約制」にし、「お譲りするご家族」を選ぶ理由
Pet Jump(ペットジャンプ)では、ガラスケースに子犬や子猫を並べる「展示販売」を行っていません。また、見学もすべて事前予約制とさせていただいています。
それもすべて、不特定多数の人に見られ続けたり、長時間の展示で強いストレスや不安を感じる「子犬・子猫たちの気持ち」を最優先に守りたいからです。
そして、私たちは「どれだけ多くお譲りするか」ではなく、「どんなご家族とご縁がつながるか」を大切にしています。
大変なことも含めて一生涯責任を持ち、「この子とともに学び、寄り添っていこう」と心から思ってくださるご家族に、命を託したい。
だからこそ、お迎えの前にはじっくりとお話しさせていただき、その子の性格や必要なケア、大変な面も含めて包み隠さずお伝えしているのです。
5. さいごに:お互いの人生を豊かにし合える関係を目指して